「小中高生の居場所づくり」<里山ICT能開学校で新たな取り組み>
廃校となった旧鞍居小学校校舎を活用して引きこもり支援に取り組む「里山ICT能開学校」が、4月で5周年を迎えた。節目を機に「これからは引きこもりの若者を増やさない事に重点をおきたい」と、新事業を取り組みを開始した代表理事の尾鼻弘光さんに意気込みを聞いた。引きこもりの原因に多い「不登校対策」として『小中高生の居場所』提供活動を展開する。勉強をしたい子はプログラミングやプリントのダウンロード学習を行い、ゆっくりとしたい子はゲームやYouTubeで自分時間を過ごす。自宅以外の居場所で過ごすことで引きこもりを防ぎたい。若者達が関わることで気持ちも通じ合え、支援される側がする側へと「支援のリレー」がつながる。子どもだけでなく、誰にも相談できないと悩む親を孤立させないため『親子ほのぼの塾』として、ネット上で親子同時に接し、親子での成長を目指す。若者の自立に向けた就労支援の一環として『高齢者お困りごと支援』を進める。一人になってもできるだけ地元に住んでいたいという希望に応え、草抜きなど日常生活上の簡易な作業やスマホ、パソコン操作など教える。高齢者の話し相手になり、若者達のコミュニケーション能力も高まる。「皮むき間伐」や「黒ニンニク」などの『六次産業化』にも着手。昼夜逆転生活の改善に向けて、夜に『サバイバルゲーム』感覚で鳥獣被害対策用モデルガンを用いて行う鳥獣駆除活動や農家と消費者を繋ぐ『耕作放棄地0プロジェクト』にも取り組む。これまでも同校でITスキルや簿記能力を磨いた若者が商店や団体約10件のHPを受注制作したり、企業でIT業務のリーダーとして貢献。新事業でいろいろな体験をする中で自分に合ったものを見つけ、「生きるための術」を身につけてほしいと話す尾鼻さん。「過去と他人は変えられない。これからの未来と自分を変えるしかない」と若者にエールを送る。また、全国引きこもり支援の先進自治体を紹介し「『人にやさしい町』は大きな魅力になる。若者を元気にすることが町を元気にする」と引きこもり支援の重要性を強調した。